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基礎知識 / 補助金

補助金の事業計画書の書き方|審査項目から逆算する6手順

補助金の事業計画書は、公募要領の入力項目と審査項目を対応させてから書き始めます。現状、課題、取組、実施体制、数値目標、経費を一続きにする6手順と、提出前の確認点を解説します。

編集:株式会社adding 補助金情報編集部。制度の最終判断は、各実施機関の公募要領・公式情報をご確認ください。

補助金の事業計画書は、きれいな文章から書き始めるものではありません。最初に確認するのは、申請する制度の最新の公募要領、申請様式、審査項目です。制度が求める情報を洗い出し、どの事実や数字で答えるかを決めてから文章にします。

ミラサポplusの補助金ガイドでは、事業計画書に盛り込む要素として、自社の強み、市場環境、実施する取組、収益の見込み、経費の内訳、実施スケジュールなどが挙げられています。ただし、必要項目や評価の基準は制度、公募回、申請枠によって異なります。共通のひな型を使う場合も、申請する回の資料に合わせます。

事業計画書で伝えたいのは、「何を買うか」だけではありません。現在の経営課題に対して、その取組がなぜ必要で、誰がどのように実行し、どの結果を目指すのか。そのつながりを根拠とともに示します。

候補選定から入金までのどこで事業計画書を準備し、採択後に何を残すかは、補助金申請の流れの8段階で確認できます。

書き始める前に審査項目を表にする

まず、公募要領と申請様式から次の3種類を抜き出します。

  • 申請画面や様式で入力を求められる項目
  • 対象者、対象事業、対象経費などの申請要件
  • 技術面、事業面、政策面などの審査項目

申請要件と審査項目は役割が違います。申請要件を満たすことは申請の前提であり、それだけで高い評価を得られるとは限りません。一方、審査項目に詳しく答えても、対象者や対象経費の要件を外していれば申請は成立しません。

「審査項目」「計画書の記載箇所」「示す根拠」の3列で表を作ると、不足が見えます。たとえば市場性を問われるなら顧客や競合の情報、実現可能性を問われるなら担当者、外注先、導入日程、資金計画を対応させます。

1. 現状を事実で整理する

最初に、自社の現状を数字と事実で示します。事業内容、顧客、商圏、売上構成、業務量、設備や人員の状況などから、今回の取組に関係する情報を選びます。

「作業に時間がかかる」だけでは、課題の大きさが伝わりません。月間の処理件数、1件当たりの作業時間、残業時間、外注費、失注件数など、社内で確認できる値に置き換えます。後の取組と目標につながる数字を選びます。

2. 課題を原因まで掘り下げる

次に、現状と目指す状態の差を課題として整理します。売上が伸びない、人手が足りないという結果だけで止めず、どの工程や顧客接点に原因があるかを分けます。

たとえば納期遅延が課題なら、受注増だけが原因とは限りません。手入力、二重確認、設備の待ち時間、担当者への属人化などを工程ごとに確認します。原因が曖昧なまま設備やシステムを選ぶと、取組の必要性を説明しにくくなります。

3. 取組を課題と一対一で結ぶ

導入する設備、ITツール、広告、外注などが、どの課題をどう変えるのかを書きます。導入前後で業務や顧客体験がどう変わるかを示します。

対象工程、利用者、変更する作業、削減または増加を見込む量まで具体化します。「新しいシステムを導入して効率化する」という説明だけでは不十分です。複数の取組がある場合は、それぞれに解決する課題と担当者を割り当てます。

対象になり得る経費は制度ごとに異なります。補助金の対象経費の考え方も確認し、計画上必要な支出と、公募要領で補助対象になる支出を分けてください。

4. 実施体制とスケジュールを置く

実現可能性を示すには、誰が、いつ、何をするかを決めます。社内責任者、実務担当者、外注先の役割を分け、発注、導入、試運転、運用開始、効果測定までを時系列にします。

設備の納期、許認可、システム連携、従業員研修など、遅れやすい工程も含めます。補助事業期間内に支払いと実績報告まで終えられるか、通常業務と並行して担当者を確保できるかも確認します。

採択と発注開始の時点は同じとは限りません。採択と交付決定の違いを踏まえ、契約や発注の日程は該当制度の公募要領、交付規程、事務局案内で確定します。

5. 数値目標に根拠を付ける

目標には計算過程を示します。ミラサポplusの「補助金入門 STEP2」でも、統計や調査などを基に数値目標を予測する考え方が案内されています。

売上目標なら、客数、単価、稼働率、成約率などに分解します。作業時間の削減なら、現在の件数と所要時間、導入後に省ける工程から計算します。市場統計、顧客への聞き取り、試験販売、見積書、過去の実績など、前提にした資料も記録します。

高い数字にすることより、現状から結果までを第三者が追えることが重要です。楽観、標準、慎重の複数ケースを社内で作ると、資金繰りの確認にも使えます。

6. 経費を取組と成果に対応させる

経費の内訳は、見積書の転記で終わらせません。その支出がどの取組に必要で、どの成果につながるかを対応させます。数量、単価、選定理由、補助事業期間、支払方法も、制度が求める範囲で説明します。

自己資金や借入を含む資金計画も必要です。補助金は、事業実施後の検査などを経て支払われる制度が多いため、入金前の支払いを賄えるかを確認します。資金繰りは補助金の後払いに備える方法でも整理しています。

共通して確認したい3点

提出前には、少なくとも次の3点を第三者の目で確認します。

  1. 公募要領との対応: 入力項目と審査項目のすべてに、計画書の記載箇所と根拠があるか
  2. 話のつながり: 現状、課題、取組、体制、数値目標、経費が一続きになっているか
  3. 数字の整合: 本文、申請画面、見積書、決算書、収益計画、スケジュールで数字や前提が一致しているか

書き手には分かっていても、初めて読む人には伝わらない箇所があります。社内の別部署、商工会・商工会議所、金融機関、認定経営革新等支援機関などに、根拠が不足している箇所を指摘してもらう方法があります。相談後も、自社で計画を説明できる状態に整えることが大切です。

相談先を比較するときは、認定の有無だけで決めず、認定経営革新等支援機関を選ぶ5項目で対応制度、支援範囲、料金条件、採択後支援まで確認してください。

補助金の事業計画書は、採択を保証する書類ではありません。まず最新の公募要領から入力項目と審査項目を抜き出し、現状から経費までを根拠でつなぎます。制度ごとの様式や審査基準を確認し、疑問が残る要件は事務局や専門家に確認してから提出してください。

参考:

次の判断に必要なガイド

補助金申請の流れ|候補選定から入金まで8段階

補助金申請の流れを、候補選定、申請準備、審査、採択・交付決定、事業実施、実績報告、入金まで8段階で整理します。各段階で止めて確認すべき書類と、発注・資金繰りで迷いやすい点も分かります。